あらすじ

あらすじ

第1章

第1話

メイはラルが嫌い。パメラはその事で心を痛め、ラルを助けてほしいと願っている

母親メイと息子のラル、その妹のパメラの3人家族。メイにとってパメラこそかわいいけれど、ラルは気に入らない。ラルの事でいつもイライラしているのだ。小さい頃から虐げられ沈みがちだったラルが変わるきっかけになったのが、1年前に島にやってきたジェイだった。

第2話

パメラはソーニャからメイの昔話を聞く。石のアーティストだった頃のメイは、ラルを心から愛していた。

心を初めて開いたに、ソーニャは母親メイの苦しい胸の内を教える。→もっと詳しく

母親メイに優しくされているパメラだが、胸中は複雑だった。兄のラルが可哀そうで仕方ないし、ラルの事でいつもイライラしているメイも怖い。それで引っ込み思案になっていたのだが、思い切ってソーニャに相談に行く事にする。
昔からパメラたち3人家族の事を知っているソーニャは、メイの昔話をする。子どもを産めないメイなのに、奇跡的にラルが産まれた事で大変喜んでいた事。石と心を合わせて筆を走らせる、素晴らしいアーティストだった事。どれもパメラにとっては初めて聞いた話だった。そして、パメラが誕生するころ夫を亡くし、それから変わってしまった。今が本当の母親の姿ではない事を知ったパメラは、メイが元に戻る事を強く願うようになる。

第3話

この島にアカーシャの扉が現れ、前世ガイドのミラーはラルの家族の原因を探しに行く。

アカーシャの扉がこの島に現れた。それを見つけたラルはアカーシャに入ると、そこにはうさぎ姿の前世ガイドのミラーがいた。ミラーはひとりで、ラルの前世を見に行く。
そこに入ってきたのはバラの姿の前世ガイド・ビッグローズだ。ビッグローズは伝説の前世ガイド・ピクチャーに呼ばれてこのアカーシャにやってきたところだ。
ミラー、ビッグローズと接したラルだが、何が何だか分からない。そこに現れたのが3人目の前世ガイド・あかりだ。あかりは丁寧に生まれ変わりや前世についてラルに教える。
その途中で、前世側から巨大なカタツムリが飛び込んでくる。跳ね飛ばされたラルは、扉をやぶり今世に戻されてしまう。

第4話

パメラはソーニャからメイの作品であるブローチをもらう。

ソーニャはパメラに、メイの作品であるブローチをあげる。そこにはソーニャの心に残る情景が描かれている。パメラは、その中に願い事の紙を見つける。メイがラルの誕生を願って書いたものだ。子どもの産まれないメイが子どもを授かったのは、この魔法のブローチのおかげ。パメラはそう信じた。

第5話

ジェイはカミーゼの曲芸飛行を街の人たちに披露してしまう。

ジェイはカミーゼの名手だ。カミーゼとは鳥のようにはばたいて飛ぶ軍用の飛行ユニット。ソーニャのおさななじみ・爺さんは、カミーゼにご執心。それでジェイとともに初飛行に挑んだ。
ジェイはクダルパーニの住宅街で曲芸飛行を披露して拍手喝采を浴びる。

第6話

人間に生まれ変わるはるか昔。ラルは太古の森で青い鳥だった。

カタツムリが前世側から飛び込んできたことに、ビッグローズは興味を持っていた。そして、ラルを連れてカタツムリの棲む太古の森へ行く。そこは、ラルが人間に転生する前の大昔の前世だった。そこは枯れた森。大きな一本の大木だけが緑をたたえている。ラルは青い鳥。でも、飛べないために大木の根元のくぼみを巣としていた。

第7話

エミーは曲芸飛行をしてしまったジェイが心配。

港の紅一点のスタッフ・エミーは、ジェイと住民の目の前でのカミーゼ飛行を心配していた。カミーゼは軍用ユニット。民間での使用は禁止されている。その飛んでいる様子が動画などで拡散したらジェイが生きている事がばれてしまうからだ。

→物語の構成・あらすじに戻る

第2章

第8話

ソーニャとメイがアカーシャに来る。
島には密かにジェイの追っ手が迫っている。

翌朝。ジェイの生存を知った国王直属の近衛工作隊の隊長は、早くも島の近くまで来ていた。
一方、ソーニャはメイと連れ立ってアカーシャに入ってゆく。ソーニャは何度もアカーシャに来ている常連だった。また、ビッグローズは子供の頃のメイの担当で、魂の傷を治そうとしたが断念していた。
ソーニャとメイは、古代中国の前世へ向かう。

第9話

古代中国でラルはパメラを戦場に置き去りにした。それはパメラ自身の命令だった。
でもメイはそれに従ったラルを許せない。

後からアカーシャに入ってきたラルを連れて、ソーニャは太古の森の前世へ行く。枯れた森で唯一生き延びていた大木はソーニャだった。大木の根っこが岩盤の下の地下水脈に届いていたのだ。大木には森中の動物が集まってきていた。それは、今世でソーニャが面倒をみている男たちだった。
一方、古代中国を訪れていたメイは、その時のラルの行動の一部始終を見ていた。そこは戦場。3人とも男で兵士だった。メイの息子はパメラ。パメラの守り役として雇ったのがラルだ。しかし、ラルは矢に討たれパメラを置き去りにしてしまう。それは、パメラ自身の命令なのだが、メイはそれに従ったラルを許せなかった。
この前世を見たために、メイはより一層ラルに憎しみを抱いてしまう。

第10話

魔女裁判でもラルはパメラを死に追いやっていた。

原因は、古代中国の事件だけではない。そう感じたソーニャは、次に中世ヨーロッパに向かう。そこでは、パメラは魔女の疑いをかけられていた。パメラを助けてほしいとラルにすがったのはメイだ。おさななじみのラルだけがパメラを救う事ができる。しかし、魔女裁判でその証言をすると、下手すると自分も悪魔の手先とされてしまう。その緊張に震えるラルは、不用意な返事をしてパメラを魔女と確定させてしまう。

第11話

ソーニャは3人家族の因縁の本当の原因をつかみかけていた。そして、それを伝説の前世ガイドピクチャーにゆだねる。

第12話

ラルはパメラを滝に蹴落としていた。すべてはラルの心の弱さが原因だった。

19世紀のアメリカ。今世のひとつ前の前世だ。ここでは、メイは既にラルへの不信感を強く持っており、パメラとの仲を裂こうとしていた。それが原因で、ラルとパメラは川に流されてしまう。落ちたが最後、生きては戻れない地獄の滝に落ちそうになった2人だが、あろうことかラルは足にすがるパメラを蹴落としてしまう。
どの前世でも、パメラを助けなければいけない場面で救えなかったのはただ一点、ラルの心の弱さだった。
メイの態度がパメラを守るためだったと悟ったラルは、家出を決意する。すべての前世の記憶は消えるが、この決意だけは今世に戻ってもラルの心に残る。

 

→物語の構成・あらすじに戻る